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カテゴリー別アーカイブ: 日記

第10回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
看護ステーションUru -ウル-、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~介護保険制度~

ということで、訪問看護における介護保険の基本的な仕組みから、

医療保険との違い、利用時の注意点、支給限度額との関係まで、実務に即した視点で深く解説していきます。

 

高齢者の在宅療養を支える「しくみ」を正しく理解する

「できるだけ自宅で過ごしたい」
そう願う高齢者やご家族にとって、訪問看護は命綱のような存在です。

そしてその訪問看護を支える財源のひとつが介護保険制度です。


✅ 訪問看護とは?介護保険との関係性

訪問看護とは、看護師などの専門職が利用者の居宅を訪問し、
医療的ケア(服薬管理、創傷処置、リハビリ、終末期ケアなど)を行うサービスです。

◯ 介護保険と訪問看護の関係性

  • 介護保険の「居宅サービス」に位置づけられた訪問系サービスのひとつ

  • 要介護認定を受けた65歳以上の方(または特定疾病による40~64歳の方)が対象

  • 医師の指示に基づき、訪問看護ステーションの看護師等がサービス提供を行う

📌 介護保険での訪問看護は、「医療」と「生活支援」の中間的な役割を担っています。


🧾 介護保険による訪問看護の利用条件

✅ 利用できる人

対象者 条件
65歳以上 要介護1~5の認定を受けていること
40~64歳 特定疾病(末期がん、関節リウマチなど)による要介護状態

📌 要支援1・2の方は「訪問看護」ではなく「介護予防訪問看護」として提供されます。


✅ 利用に必要な手続き

  1. 主治医から「訪問看護指示書」の交付

  2. ケアマネジャーがケアプランに組み込む

  3. 訪問看護ステーションと契約を結ぶ

📌 利用者の同意と、医師の指示がそろって初めて「介護保険での訪問看護」が可能になります。


⚖ 医療保険と介護保険、どちらが適用されるのか?

実は、訪問看護は介護保険・医療保険どちらでも利用可能ですが、原則として次のように使い分けます。

✅ 原則のルール:「介護保険優先」

  • 要介護認定を受けている人は、まず介護保険での利用が基本

  • 医療的な必要性が高い場合(例:急性増悪期、特別管理が必要な状態)は医療保険での利用が可能

✅ 医療保険が優先されるケース(例)

状況 対応
末期がん 医療保険優先(緩和ケア含む)
急性疾患による処置 医療保険優先
中心静脈栄養、人工呼吸器管理 医療保険優先の「特別指示」対象
退院直後など一時的に頻回な訪問が必要 医師の「特別指示」により週4回まで可

📌 医療保険の適用には、主治医の「訪問看護指示書」や「特別指示書」が必要です。


💰 支給限度額と訪問看護の費用構造

介護保険で訪問看護を利用する際は、「支給限度額」の範囲内での利用となります。

✅ 支給限度額(月額)

要介護度 上限額(概算)
要介護1 約5万円
要介護2 約10万円
要介護3 約15万円
要介護4 約17万円
要介護5 約20万円

※ 上記は地域や単位単価によって若干異なります。

訪問看護1回あたりの費用(1回30分~60分)で 約500~1,200単位(=5,000〜12,000円前後)
→ 1割負担の場合、実費は1回500〜1,200円程度

📌 限度額を超えた場合は全額自己負担となるため、ケアマネとの連携が重要です。


🔁 実務上のポイントと多職種連携

✅ ケアマネジャーとの連携

  • 訪問看護を「ケアプランに位置づける」必要あり

  • 医師・訪問看護師・ケアマネが三者で連携し、「生活全体の支援計画」を共有

✅ 医師との連携

  • 訪問看護指示書の内容が曖昧な場合、支援範囲が狭まる可能性あり

  • 状態変化や緊急時の報告・指示仰ぎも重要

✅ ご家族への説明と合意形成

  • 「何が介護保険でできて、どこから医療保険なのか」を明確に説明

  • 費用負担やサービス制限に対する不安や誤解を防ぐ


✅ 制度を正しく知ることが、安心の在宅療養を支える

訪問看護における介護保険制度は、
高齢者が住み慣れた地域で、安心して医療・看護サービスを受け続けるための重要なしくみです。

✔ 制度の正しい理解
✔ 医師・ケアマネとの密な連携
✔ 本人と家族の意向の尊重
✔ 介護・医療の使い分け

これらを丁寧に積み重ねることで、訪問看護は単なる“サービス”ではなく、
「その人の生き方と暮らしを支えるパートナー」になれるのです。


📋 訪問看護×介護保険の確認チェックリスト

項目 確認すべき内容
要介護認定 有効期限内か?度数に変化はないか?
指示書 医師から発行済みか?期間・内容の明記は?
保険区分 医療保険での適用対象か?介護保険か?
ケアプラン ケアマネジャーと共有・同意済みか?
限度額管理 他サービスとのバランス、超過の可能性は?
利用者・家族の理解 制度の説明・同意・費用面の納得はあるか?

 

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・年休126日
・月給30万以上

【福利厚生】
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【募集条件】
・正看護師免許
・臨床経験2年
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弊社の強みは、平均年齢28歳で20〜30代の
若いスタッフが活躍しております。

面接では人柄はもちろん、「自己成長したい!」という
向上心のある方を採用しているため、
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インセンティブやオンコール手当等の還元率の高さや
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第9回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
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さて今回は

~支援計画~

ということで、訪問看護における支援計画の意義、作成の流れ、活用のポイントを、現場目線で深く掘り下げてご紹介します。

 

「その人らしい生活」を支えるための設計図

高齢化や在宅療養ニーズの高まりにより、訪問看護の役割は年々重要性を増しています。
その中で、看護師が日々のケアを的確に、かつ継続的に行うために欠かせないのが「訪問看護計画書(支援計画)」です。

これは単なる事務書類ではなく、ご利用者の生命・生活・尊厳を守るための“看護の道しるべ”


✅支援計画(訪問看護計画書)とは何か?

訪問看護計画とは、ご利用者の病状・生活背景・目標に基づいて、
「どのような看護を、どのくらいの頻度で、どのような方法で提供するか」を具体的に記した個別支援の設計図です。

◯ 主な目的

  1. ご利用者の生活の質(QOL)を向上させるための看護実践の道筋を明確にする

  2. 多職種(医師・ケアマネ・介護職など)との連携を円滑にする

  3. 看護師間での情報共有をスムーズにし、支援の質を担保する

  4. ご利用者・家族が安心して在宅生活を送るための見通しを提供する

📌 計画なき看護は、“その場しのぎの対応”になり、事故・混乱・不信感を招く可能性があります。


📋 支援計画の基本構成と記載内容

✅ 訪問看護計画書に含まれる主な内容

項目 内容
アセスメント ご利用者の健康状態・生活状況・ADL・家族の支援体制などの評価
長期目標 「生活の中でどのような状態を目指すか」例:自立歩行、服薬管理の確立など
短期目標 長期目標に向けたステップ、例:週2回のリハビリ実施、排泄パターンの安定など
実施内容 バイタル測定、創傷処置、清潔ケア、服薬管理、リハビリ、精神的ケアなど
期間・頻度 訪問の回数、期間、再評価のタイミング
担当看護師 主担当者とサポートスタッフの役割明記
関連職種 ケアマネ、主治医、理学療法士、薬剤師などとの連携内容

📌 「誰が見ても、何を、どのように支援するのかが明確になる」ことが重要です。


🧭 なぜ支援計画が“現場”で重要なのか?

✅ 1. 一貫したケアの提供

複数の看護師が交代で訪問する中でも、計画があれば看護内容のズレを防ぎ、一貫性のある支援が可能になります。

✅ 2. 医療と生活の橋渡し

医師の指示書だけでは把握しきれない日常生活の課題や本人の希望を支援計画でカバー。
→ 例:「夜間のトイレ回数が多く、転倒リスクがある」など、生活に即した視点が活きる。

✅ 3. ご本人・ご家族との信頼関係

「今、何のために何をしているのか」が伝わることで、不安が軽減され、協力体制が築きやすくなります。

✅ 4. 緊急対応・引き継ぎのスムーズさ

急変時や退院・転院、引き継ぎ時にも、支援計画があればスムーズな対応と正確な情報伝達が可能。


📝 支援計画作成の流れと実務ポイント

✅ ステップ① アセスメント(情報収集)

  • 初回訪問での観察・面談・ご本人の希望の聞き取り

  • 主治医の指示書、ケアマネのケアプランの確認

  • 家族構成・生活環境・本人の価値観も重要な情報

📌 アセスメントの質が、その後の目標設定と看護内容の的確さに直結します。


✅ ステップ② 長期・短期目標の設定

  • 「この人らしい生活とは何か?」という視点で目標を設定

  • 数値化・行動化された目標が望ましい(例:1人で歩いてトイレに行けるようになる)


✅ ステップ③ 看護内容・頻度・方法の具体化

  • 実施項目は「観察・処置・相談・指導・予防・連携」の視点でバランスよく

  • ご本人の負担にならないスケジュール調整も大切


✅ ステップ④ ご本人・家族・関係職種との共有

  • 作成した支援計画はご本人・ご家族と丁寧に共有し、納得と合意を得ることが重要

  • 必要に応じて、ケアマネジャー・主治医と再調整


✅ ステップ⑤ モニタリングと見直し

  • 月1回~3か月に1回を目安に目標の達成状況・状態変化を踏まえて再評価

  • 状態悪化や介護負担の変化があれば、即時更新

📌 計画は「一度書いたら終わり」ではなく、“生きた書類”として随時見直しが必要です。


✅ 支援計画は「ご本人の暮らしを守る看護の地図」

訪問看護における支援計画は、単なる業務指示書ではなく、
「その人が、その人らしく、安心して暮らしていけるように支える計画」です。

✔ 支援の一貫性
✔ チームの連携
✔ ご本人の納得
✔ 緊急時の備え

これらすべてが、丁寧に作られた支援計画によって支えられているのです。

看護師として、目の前の人の暮らしと命に寄り添うために。
支援計画を「ただの書類」から「信頼の証」へと高めていくことが、専門職としての力となります。


📋 支援計画チェックリスト(訪問看護版)

項目 チェック内容
情報収集 状態、希望、家族状況、関係者情報が網羅されているか
目標設定 長期・短期ともに具体的で、現実的か
看護内容 必要かつ過不足ない支援項目になっているか
実施体制 担当者・頻度・時間配分が明確か
共有 ご本人・家族・多職種との情報共有が行われているか
見直し モニタリング・再評価の仕組みがあるか

 

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第8回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
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さて今回は

~ご家族とのコミュニケーション~

ということで、訪問看護におけるご家族とのコミュニケーションの重要性や、具体的な関わり方のポイント、信頼関係を築くための工夫 について詳しく解説していきます♪

 

訪問看護は、自宅で療養する患者様を支える大切な医療サービス ですが、その成功の鍵を握るのは患者様本人だけでなく、ご家族との適切なコミュニケーション です。

ご家族は、患者様の日常生活を支える最も身近な存在であり、訪問看護師とご家族がしっかりと連携を取ることで、より質の高いケアを提供し、患者様が安心して療養できる環境を作ることができます

しかし、介護や看護に関する負担が大きくなると、ご家族はストレスや不安を感じやすくなり、看護師との意思疎通がうまくいかないことでトラブルにつながることも あります。


1. なぜ訪問看護ではご家族とのコミュニケーションが重要なのか?

① ご家族が患者様のケアを担う時間が長い

訪問看護師が自宅に訪問する時間は、限られた時間(週に1~数回、1回30分~1時間程度) です。それ以外の時間は、ご家族が患者様の日常生活のサポートを担う ため、看護師とご家族が協力し合うことが、安定した療養生活を送るために不可欠 です。

② 患者様の体調変化を早期発見するため

訪問看護師は、訪問時に患者様の状態をチェック しますが、ご家族のほうが普段の変化に気づきやすい こともあります。例えば、

最近食事量が減った
夜中に何度も起きるようになった
言葉が少なくなった、表情が暗い

こうした日々の小さな変化を訪問看護師と共有することで、早期に異変に気づき、適切な対応ができる ようになります。

③ ご家族の精神的負担を軽減するため

介護や看護の負担は、ご家族にとって大きなものです。

  • 「自分のケアが正しいのか分からない」
  • 「どう対応すればいいのか不安」
  • 「仕事と介護の両立が難しい」

こうした悩みを抱えるご家族が多く、訪問看護師との良好なコミュニケーションが、精神的な支えにもなる のです。


2. ご家族との良好なコミュニケーションを築くための5つのポイント

ご家族と信頼関係を築くには、「分かりやすく伝えること」「共感を示すこと」「連携を強化すること」 が重要です。

① ご家族の気持ちを尊重し、話をしっかり聞く

訪問看護師が専門的な知識を持っていても、ご家族の思いや考えを無視してしまうと、信頼関係は築けません。

「ご家族も大切なケアの担い手である」という意識を持ち、まずはじっくり話を聞くことが大切 です。

「いつもお世話されていますね。最近のご様子はいかがですか?」と積極的に声をかける
「ご家族として、どんなことに不安を感じていますか?」と気持ちを聞く

ご家族が「自分の意見も大事にされている」と感じることで、信頼関係が深まり、スムーズな連携につながります


② 医療やケアの内容を分かりやすく説明する

ご家族の中には、医療的な知識がないために、訪問看護の内容を理解しにくい 方もいます。そのため、専門用語をなるべく使わずに、分かりやすく説明することが重要 です。

例えば、
「バイタルサインが不安定なので、内服管理を強化しましょう」

「最近血圧が少し高めですね。お薬の飲み方をもう一度確認して、一緒に管理していきましょう」

また、口頭で伝えるだけでなく、簡単なメモや記録ノートを活用するのも効果的 です。


③ 介護の負担を減らすアドバイスをする

ご家族は、患者様のケアに対して「こうしなければいけない」と思い込み、無理をしてしまうことがあります。

例えば、

  • 「毎日お風呂に入れないとダメですか?」
  • 「食事を全部食べさせないと栄養不足になりますか?」

こうした不安に対して、「無理をしなくても大丈夫ですよ」と伝えることが、ご家族の負担を軽減するポイント になります。

「入浴が大変な時は、蒸しタオルで体を拭くだけでも十分ですよ」
「食事は少量でも栄養価の高いものを摂ればOKです」

このように、負担を減らす方法を具体的に提案すると、ご家族の気持ちが楽になります


④ 些細なことでも褒める・感謝を伝える

ご家族は、毎日患者様のケアを頑張っていますが、誰かに認められる機会が少ない ものです。

訪問看護師が「いつもお世話されていますね」「頑張っていますね」と声をかけるだけで、ご家族のモチベーションが向上し、より良いケアにつながります

「お部屋がとても清潔に保たれていますね」
「〇〇さんの食事を工夫されていて素晴らしいですね!」

こうした言葉が、ご家族の負担感を和らげ、前向きな気持ちにさせる効果 があります。


⑤ 定期的に情報を共有し、協力体制を作る

訪問看護は、ご家族との協力が不可欠です。「一緒に支えていく」という意識を持ち、積極的に情報を共有することが大切 です。

訪問のたびに「最近の体調」を伝える
お薬の管理方法や、ケアのポイントを共有する
何か気になることがあれば、すぐに相談できる関係を築く

こうした小さな積み重ねが、訪問看護師とご家族の信頼関係を強くし、患者様にとって最適なケアへとつながります


4. まとめ:ご家族との良好なコミュニケーションが、より良い訪問看護につながる

訪問看護において、ご家族とのコミュニケーションは非常に重要です。

ご家族の気持ちに寄り添い、話をしっかり聞く
専門用語を避け、分かりやすい説明を心がける
介護負担を軽減するアドバイスを提供する
小さなことでも褒め、感謝を伝える
定期的に情報を共有し、協力体制を築く

訪問看護師とご家族が信頼し合い、協力することで、患者様にとって最も安心できる療養環境を作ることができます

 

 

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第7回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
看護ステーションUru -ウル-、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~自身で気づく重要性~

ということで、訪問看護における患者様自身の異変の気づきの重要性、具体的な異変のサイン、早期発見のポイント、訪問看護師との連携方法 について詳しく解説します♪

 

訪問看護は、病院や施設ではなく自宅で療養する患者様の健康管理や生活支援を行う重要な医療サービス です。看護師やリハビリ専門職が定期的に訪問し、健康状態のチェックや医療処置を行いますが、24時間常にそばにいるわけではありません

そのため、患者様自身やご家族が日々の体調の変化に気づき、適切な対応をすることが非常に重要 になります。小さな異変を見逃さずに早期に対処できるかどうかが、病状の悪化を防ぎ、安心して在宅療養を続けるカギ となります。


1. なぜ患者様自身の異変の気づきが重要なのか?

訪問看護の利用者は、慢性疾患を抱える方、がんや難病で療養中の方、高齢者、障がいを持つ方などさまざま ですが、共通しているのは**「病院ではなく自宅で過ごす時間が圧倒的に長い」** ということです。

訪問看護師が来るのは限られた時間のみ
➡ 週に1~数回の訪問であり、異変があっても看護師がすぐに気づくことは難しい

病状の急変はいつ起こるか分からない
急な体調の変化に早く気づけば、病状の悪化を未然に防ぐことができる

早期発見が入院や緊急対応を防ぐ
➡ 早めの対応で適切な処置を行えば、重症化を防ぎ、在宅での生活を続けやすくなる

このように、訪問看護のサポートを受けながらも、患者様自身が日々の健康状態に意識を向けることが、より良い療養生活につながる のです。


2. どんな異変に気づくべきか?具体的なサインを知ろう

では、患者様自身がどのような異変に気をつけるべきなのか、具体的な症状をチェック項目として整理 してみましょう。

① 身体的な異変

  • 発熱・寒気(感染症や炎症の兆候)
  • 息苦しさ・呼吸が浅い(肺炎・心不全の可能性)
  • 動悸・胸の痛み(心臓疾患のサイン)
  • めまい・ふらつき(低血圧や脳の異常)
  • 手足のむくみ(腎機能や心臓への負担)
  • 食欲不振・体重の急激な変化(栄養状態や疾患の影響)

② 意識・認知の変化

  • ぼんやりする・会話の受け答えが遅くなる(脳梗塞や脱水の可能性)
  • 夜中に突然大声を出す・興奮する(認知症の進行やせん妄の疑い)
  • 薬の飲み忘れや間違いが増える(記憶力の低下)

③ 排泄の変化

  • 尿の回数が極端に増えたor減った(腎臓・前立腺の異常)
  • 便秘や下痢が続く(腸のトラブル、脱水の可能性)
  • 尿の色が濃い・赤い・白く濁る(感染症や血尿)

④ 傷や皮膚の異変

  • 床ずれ(褥瘡)ができている(寝たきりの方は特に注意)
  • 傷の治りが遅い(糖尿病などの影響)
  • 皮膚が黄色っぽい・紫色のあざができやすい(肝臓疾患や血液の問題)

このような異変に気づいたら、すぐに記録をとる・訪問看護師に相談する・必要なら医療機関を受診する ことが大切です。


3. 早期発見のためにできること

では、日々の生活の中でどのように異変に気づけばよいのでしょうか?

① 毎日の体調を記録する習慣をつける

「昨日と比べて違和感があるか?」を意識するために、簡単な健康チェックシートを活用するのがおすすめ です。

体温・血圧・体重を測定(異常がないか確認)
食事・排泄の記録(食欲や便の変化をチェック)
睡眠時間や気分の変化をメモする(睡眠不足や気分の変動を確認)


② 訪問看護師との連携を強化する

訪問看護師に、「最近体調がどうか?」「気になることはあるか?」を積極的に伝える ことが大切です。

訪問時に「最近こんな変化があった」と報告する
日常で気づいたことをメモしておき、看護師に伝える
薬の飲み忘れや副作用について相談する


③ 家族や周囲の人と情報共有する

一人で気づくのが難しい場合、家族やヘルパー、介護スタッフと情報を共有する ことで、異変に気づきやすくなります。

家族と「今日はこんなことがあった」と話す
「最近表情が暗い」「歩き方が違う」と気づいたら周囲に報告
訪問看護師と家族が連携し、体調管理をサポート


4. まとめ:自分自身の異変に気づくことが、健康を守る第一歩!

訪問看護を受けながら安全に在宅療養を続けるためには、患者様自身が日々の体調の変化に敏感になることが重要 です。

小さな異変(発熱・息苦しさ・食欲低下など)を見逃さない
毎日の健康チェックを習慣化する
訪問看護師や家族と連携し、早期対応を心がける

体調の変化を早く察知することで、病状の悪化を防ぎ、安心して自宅での療養を続けることが可能 になります。ぜひ、日々の健康チェックを意識しながら、安全で快適な生活を送ってください!

 

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第6回訪問看護雑学講座

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訪問看護は、病院や診療所での医療とは異なり、患者が暮らす「自宅」という生活の場でケアを提供するという特殊な医療サービスです。そのため、病院看護とは異なるスキルや心構えが求められます。

訪問看護師は、患者の身体的ケアだけでなく、精神的なサポートや家族のケア、地域との連携など、多岐にわたる役割を担います。その中で、質の高いケアを提供するために守るべき「鉄則」があります。本記事では、訪問看護の鉄則を「基本姿勢」「ケアの実践」「安全管理」「チーム連携」「家族支援」の5つの視点から詳しく解説します。


1. 訪問看護の基本姿勢:患者の生活に寄り添うプロフェッショナルであること

① 「医療者である前に、一人のゲストである」

病院では看護師が主導権を持ちやすいですが、訪問看護では患者の「生活の場」に入ることを忘れてはいけません。

鉄則:「訪問する側である」という意識を持ち、患者や家族のペースを尊重すること。

  • 無理に指導を押し付けない(患者の価値観を大切にする)。
  • 靴の脱ぎ方や身だしなみを整え、第一印象に気を配る。
  • 訪問時の挨拶や、患者との適切な距離感を意識する。

② 「患者の生活を支えるパートナーである」

訪問看護では、病院と違い治療だけでなく、患者の生活そのものを支える視点が求められます。

鉄則:「病気を診るだけでなく、患者の生活全体を考えること。」

  • 食事・排泄・睡眠などの日常生活の状況を把握する。
  • 本人の希望を尊重し、自己決定を支援する。
  • 看護計画を「生活の中で実践できる形」に落とし込む。

2. 訪問看護のケアの実践:確実な技術と臨機応変な対応

① 「観察力がすべて」:限られた時間で異変を察知する

訪問看護では、限られた時間の中で患者の状態を正確に判断する能力が求められます。

鉄則:「わずかな変化を見逃さないこと。」

  • 顔色・呼吸・姿勢・声のトーンなどの変化に敏感になる。
  • バイタルサインだけでなく、表情や仕草も観察する。
  • 介護者(家族など)の疲労度やストレスも把握する。

② 「少ない道具で最大限のケアを」

病院と違い、訪問看護では使える医療機器や物品が限られているため、シンプルで確実な技術が求められます。

鉄則:「現場の制約を理解し、応用力を持つこと。」

  • 物品の準備や補充を常に意識する(緊急時に備える)。
  • 簡易な道具で対応できるスキルを磨く(ガーゼの工夫、シーツ交換の時短技術など)。
  • 清潔保持を徹底し、感染対策を怠らない。

3. 訪問看護の安全管理:事故を防ぐリスクマネジメント

① 「転倒・誤嚥・感染症のリスクを最小限に」

訪問看護の現場では、病院とは異なり、環境が整っていないことが多いため、安全管理が最優先となります。

鉄則:「患者の生活環境を整え、リスクを回避すること。」

  • 自宅内の転倒しやすい場所(敷居、カーペットのめくれ、滑りやすい床)をチェック。
  • 食事の際の誤嚥リスクを考慮し、適切な姿勢を指導。
  • 訪問時の手洗い・消毒を徹底し、感染対策を行う。

② 「緊急時の対応を常に想定する」

病院と違い、訪問先では医療機器や人員が限られているため、緊急時の初動が重要になります。

鉄則:「もしもの時の行動をシミュレーションしておく。」

  • 緊急連絡先をすぐに確認できるようにする。
  • 患者の既往歴・服薬状況を正確に把握しておく。
  • 必要に応じて、家族や介護者にも対応方法をレクチャーする。

4. 訪問看護のチーム連携:多職種との協力がカギ

① 「一人では支えられない、チームの力を活かす」

訪問看護は、医師・ケアマネージャー・介護士・理学療法士・薬剤師など、多職種と連携することが不可欠です。

鉄則:「情報共有をスムーズにし、チームで患者を支えること。」

  • 訪問看護記録を詳細に記入し、関係者と共有する。
  • 医師との連携を密にし、指示の確認を怠らない。
  • 介護職と協力し、患者の生活改善に向けた具体的な提案を行う。

② 「家族との信頼関係を築く」

患者のケアには、家族の協力が不可欠です。しかし、家族も疲れていたり、不安を抱えていることが多いため、適切な支援が求められます。

鉄則:「家族の負担を軽減し、支える視点を持つこと。」

  • 家族の精神的・肉体的負担をこまめにチェックする。
  • 適切な介護方法をアドバイスし、負担を減らす工夫をする。
  • 介護疲れや孤立を防ぐため、必要に応じて相談窓口を紹介する。

5. まとめ:訪問看護の鉄則を守り、患者の「生活」を支える

訪問看護は、病院での看護とは異なり、患者の生活そのものを支える視点が求められる特別な医療サービスです。

訪問看護の鉄則として、
「患者の生活に寄り添い、価値観を尊重すること。」
「少ない時間と道具で、最大限のケアを提供すること。」
「リスク管理を徹底し、安全な環境を作ること。」
「チームで協力し、多職種と連携すること。」
「家族も含めたトータルケアを意識すること。」

これらを実践することで、訪問看護師は単なる「医療提供者」ではなく、患者の生活と人生を支える重要な存在となります。今後、訪問看護のニーズはさらに高まることが予想されるため、プロフェッショナルとしての姿勢を忘れずに、日々のケアを実践していきましょう。

 

 

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第5回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
看護ステーションUru -ウル-、更新担当の中西です。

 

訪問看護は、病院や診療所ではなく、自宅で医療サービスを受けることができる仕組みです。高齢化社会が進む現代において、その重要性はますます高まっています。しかし、訪問看護の歴史を振り返ると、その起源は意外にも古く、時代の流れとともに形を変えながら進化してきたことがわかります。


1. 訪問看護の起源:宗教・慈善活動から始まった在宅医療

① 中世ヨーロッパの修道院と看護の発展(11~16世紀)

訪問看護の起源は、病院が存在しなかった時代に遡ります。中世ヨーロッパでは、修道院が医療活動を担い、病人や貧しい人々の家を訪れて治療を行う「慈善看護」の形が確立していました。

  • 12世紀:カトリック教会の修道女たちが病人の家を訪れ、ケアを行う。
  • 16世紀:宗教改革の影響で修道院が衰退し、医療と福祉が民間へ移行。

この時代の看護は「医療」よりも「宗教的な慈善活動」としての側面が強く、現代の訪問看護とは異なる形でした。


2. 近代訪問看護の誕生:ナイチンゲールと公衆衛生の改革(19世紀)

① フローレンス・ナイチンゲールと近代看護の確立

訪問看護が「専門職」としての形を持ち始めたのは、19世紀のナイチンゲールによる看護改革がきっかけでした。

  • 1854年:クリミア戦争に従軍し、ナイチンゲールが戦傷兵の看護を実施。
  • 1860年:ナイチンゲール看護学校を設立し、看護師の教育を体系化。
  • 病院だけでなく、家庭でも看護を受けられる仕組み(訪問看護の基盤)を提唱。

ナイチンゲールは、「医療は病院の中だけで行うものではない」と考え、患者の生活環境を整えることが健康回復につながるという概念を広めました。これは、現代の訪問看護の理念にもつながっています。

② 訪問看護師の誕生と社会福祉の発展

19世紀後半、イギリスやアメリカでは、貧困層向けに看護師が家庭を訪問する制度が整備され始めました。

  • 1875年:イギリスで「地区看護制度(District Nursing)」が確立し、看護師が地域を巡回。
  • 1893年:アメリカで「ヘンリー・ストリート訪問看護サービス」(リリアン・ウォルドにより創設)が始まる。

この頃の訪問看護は、医療だけでなく「公衆衛生の改善」や「貧困層支援」といった福祉的な役割も担っていました。


3. 20世紀の訪問看護:医療制度への組み込みと高齢者ケアの発展

① 第二次世界大戦後の訪問看護の拡大(1940~1960年代)

戦後、医療技術の発展とともに、訪問看護は公的医療制度の一部として組み込まれるようになりました。

  • 1945年:アメリカで「メディケア(高齢者医療保険)」制度が導入され、訪問看護が公的保険の対象に。
  • 1950年代:イギリスのNHS(国民保健サービス)で訪問看護制度が確立。
  • 1960年代:ヨーロッパ各国で在宅医療・訪問看護が普及。

この時期、訪問看護は単なる「福祉」ではなく、医療の一環として認識されるようになり、保険制度の中に組み込まれることで広く普及していきました。

② 日本における訪問看護の始まり(1960~1980年代)

日本では、戦後の高度経済成長とともに病院中心の医療体制が進み、訪問看護はほとんど普及しませんでした。しかし、1980年代になると高齢化の進行により、「病院完結型の医療」から「在宅医療」へのシフトが求められるようになりました。

  • 1980年:日本で「在宅ケア」の概念が広まり、訪問看護の試験的導入が始まる。
  • 1992年:訪問看護ステーション制度が設立され、全国的に普及へ。

4. 現代の訪問看護とその役割(2000年~現在)

① 日本の高齢化と訪問看護の必要性

  • 2025年には日本の高齢者人口が3,600万人を超え、国民の約30%が65歳以上に
  • 病院での長期入院が難しくなり、在宅医療のニーズが急増
  • 国の医療費削減政策により、「病院から在宅へ」の流れが加速

現在の訪問看護は、高齢者だけでなく、がん患者や難病患者、小児医療、精神疾患のケアなど、幅広い領域で活用されています。

② 訪問看護の最新トレンド

近年、訪問看護はさらに多様化・専門化しつつあります。

  • ICT(情報通信技術)の活用

    • オンライン診療と連携し、リモートで患者の状態を共有。
    • 電子カルテやAIを活用した訪問記録の効率化。
  • 緩和ケア・ターミナルケアの充実

    • 在宅での看取りを希望する患者の増加に伴い、訪問看護の役割が拡大。
    • 医師・介護職との連携が強化され、チーム医療としての訪問看護が重視される。
  • 若年層・障がい者への対応強化

    • 小児在宅医療の充実や、精神疾患患者への訪問看護の拡大。

5. まとめ:訪問看護はこれからの医療の中心になる

訪問看護は、修道院の慈善活動から始まり、ナイチンゲールの看護改革を経て、現代の医療制度の中で重要な役割を担うようになりました。特に日本では、高齢化や医療費問題の影響で、今後ますます需要が高まる分野です。

今後は、ICT技術の活用や、多職種連携の強化によって、より効率的で質の高い訪問看護が求められるでしょう。訪問看護は、ただの医療サービスではなく、「患者と家族の生活を支えるライフケア」としての役割を果たし続けるのです。

 

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第4回訪問看護雑学講座

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シリーズ4: 訪問看護で受けられるリハビリテーション

テーマ:身体と心を支えるリハビリサービス

 

 

今回は、訪問看護で受けられる「リハビリテーション」に注目してご紹介します。

リハビリは、身体機能の回復だけでなく、生活の質(QOL)を向上させるために欠かせないサービスです。

「できること」が増える喜びや、心身の変化を一緒に感じながらサポートする訪問リハビリ。

その具体的な内容と重要性について、詳しくお話しします!

 


訪問リハビリの目的

 

訪問リハビリの目的は、利用者一人ひとりの状態や目標に応じたケアを提供することです。

 

  • 身体機能の維持・改善: 筋力や柔軟性を高め、転倒や寝たきりを予防します。

 

  • 日常生活の自立: 起き上がりや歩行、食事といった基本動作の練習を通じて、生活の自立をサポートします。

 

  • 心理的な支え: 「できるようになる」という成功体験を積み重ねることで、自信と意欲を取り戻します。

 


主なリハビリ内容

 

1. 身体機能のリハビリ

 

身体の筋力や柔軟性を取り戻すためのトレーニングを行います。

 

  • 筋力強化: 太ももや腹筋、背筋など、日常生活でよく使う筋肉を鍛える運動。

 

  • 関節の柔軟性向上: 可動域を広げるストレッチや関節運動を行い、動作のしやすさを高めます。

 

  • バランス訓練: 転倒を防ぐため、立ち上がりや片足立ちの練習を実施します。

例:

  • ベッドサイドで行う足踏み運動。
  • タオルを使った肩や腕のストレッチ。

2. 生活リハビリ

 

日常生活の中で必要な動作を練習し、自立を目指します。

 

  • 起き上がりの練習: ベッドからスムーズに起き上がる動作をサポート。

 

  • 着替えや洗顔: 利用者が自分で行えるように、コツを伝えながら一緒に練習します。

 

  • 移動訓練: 室内での歩行や、杖や歩行器の使用方法を指導します。

例:

  • 車いすからベッドへの移動を安全に行う方法の指導。
  • 片手が不自由な場合のボタンの留め方を練習。

3. 予防的リハビリ

 

リハビリは、症状が現れてから行うものだけではありません。

将来的なリスクを減らす「予防的リハビリ」も大切です。

 

  • 寝たきり予防: ベッド上での簡単な運動やポジショニング(体位変換)を指導。

 

  • 関節の拘縮予防: 長時間同じ姿勢でいることによる関節の硬直を防ぐ運動を行います。

 

  • 循環促進: 足や腕を動かすことで血流を改善し、むくみや筋肉の萎縮を防ぎます。

例:

  • 足を上下に動かす運動で、血液循環を促進。
  • ストレッチバンドを使った軽い筋力トレーニング。

リハビリの重要性

 

身体への効果

 

リハビリによって、利用者の体力や機能が向上し、日常生活がより楽になります。

たとえば、以下のような成果が期待できます:

  • 筋力や柔軟性の改善により、転倒やケガのリスクが軽減される。

 

  • 日常動作がスムーズになり、介助が必要な場面が減少する。

 

心への効果

 

リハビリは身体だけでなく、心にも大きな影響を与えます。

 

  • 自信の回復: 「できること」が増える喜びは、自信を取り戻すきっかけになります。

 

  • 意欲の向上: 身体が動くようになると、外出や趣味活動への意欲が高まります。

 

  • 孤独感の軽減: 訪問リハビリのスタッフとの交流が、心の安定にもつながります。

 


訪問リハビリの流れ

 

  1. 事前評価: 理学療法士や作業療法士が利用者の身体状態を詳しく確認します。
  2. リハビリ計画の作成: 個別のニーズに応じたプログラムを作成。
  3. 実際のリハビリ: 専門スタッフが自宅でマンツーマンでサポートします。
  4. 定期的な見直し: 状況に応じて内容を調整し、より効果的なケアを提供します。

訪問リハビリがもたらす安心感

 

訪問リハビリを受けることで、以下のような安心感が得られます:

 

  • 家族の負担軽減: プロによる指導が受けられるため、介護の不安が軽減されます。

 

  • 自宅で受けられる: 移動が難しい方でも、自宅で専門的なケアを受けられるのは大きな利点です。

 


次回予告:精神的ケアと心の支援

 

次回は「精神的ケアと心の支援」についてお話しします。

身体だけでなく、心の健康を保つことも療養生活には欠かせません。

訪問看護がどのように心を支え、生活の質を向上させるのかをご紹介します。

どうぞお楽しみに!

 

 

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第3回訪問看護雑学講座

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シリーズ3: 訪問看護で受けられる医療サービス

 

 

今回は、「訪問看護で受けられる医療サービス」について詳しく解説します。

訪問看護は、ただの生活支援ではなく、医療的なケアを含む包括的なサービスです。

「自宅でこんなことまでできるの?」と驚かれる方も多い訪問看護の医療サービス、その詳細をご紹介します!

 

 


1. 健康状態のチェック

 

訪問看護の基本とも言えるサービスが、利用者の健康状態の定期的な観察です。

このケアが、病気の悪化や緊急事態を防ぐ大きな役割を果たしています。

 

バイタルサインの測定

 

  • 血圧、体温、脈拍、酸素飽和度(SpO2)などを測定し、利用者の状態を確認します。

 

  • 数値に異常が見られる場合は、医師や他の専門職と連携し、迅速な対応を取ります。

 

症状の観察

 

  • 慢性疾患(糖尿病、心疾患、呼吸器疾患など)の進行状況を観察し、状態が悪化しないように管理します。

 

  • 傷や皮膚の状態をチェックして、感染症の兆候を早期に発見することも重要です。

 


2. 投薬管理

 

訪問看護では、服薬に関するサポートも大きな役割を担っています。

高齢者や複数の薬を服用する方にとって、薬の管理は混乱を招きやすいものです。

 

 

服薬指導

 

  • 薬の飲み忘れ防止: 服薬のタイミングや正しい飲み方をアドバイスします。

 

  • 副作用の確認: 薬による副作用が出ていないかを確認し、必要があれば医師に報告します。

 

  • 服薬カレンダーの作成: 複数の薬を服用している場合は、分かりやすいカレンダーや仕分けを提案します。

 

点滴・注射の提供

 

  • 自宅でも、必要な場合は訪問看護師が点滴や注射を行います。

 

  • 輸液療法や抗生物質の点滴など、病院と同等のケアが自宅で受けられるのは訪問看護の大きな利点です。

 


3. 医療処置

 

訪問看護では、利用者の自宅で行う医療処置にも対応しています。

これにより、病院での処置を減らし、療養生活の質を向上させることが可能です。

 

 

傷のケア

 

  • 手術後の傷や床ずれ(褥瘡)の処置を行います。

 

  • 感染を防ぐために、傷の清潔を保ちつつ、回復を促進する方法でケアします。

 

  • 必要に応じて、創傷被覆材(ドレッシング材)を使用し、痛みを軽減しながら治癒をサポートします。

 

カテーテル管理

 

  • 尿カテーテルや胃ろうなど、医療器具の管理や交換を行います。

 

  • 正しい使用方法や管理方法について利用者や家族に指導を行い、感染リスクを最小限に抑えます。

 

人工呼吸器や酸素療法の管理

 

  • 人工呼吸器や在宅酸素療法(HOT)を利用している方に対して、機器の点検や使用方法の確認を行います。

 

  • 機器に異常がある場合は、専門業者と連携して迅速に対応します。

 


4. 病気や治療に関する教育

 

訪問看護では、利用者や家族への教育も重要な役割を果たしています。

 

  • 病気についての知識提供: 持病の管理方法や、症状が悪化した際の対処法を説明します。

 

  • 感染予防: インフルエンザや新型コロナウイルスなど、感染症予防のための手洗いや環境整備について指導します。

 

  • 食事指導: 栄養バランスを考えた食事の取り方や、嚥下障害がある場合の対応方法をアドバイスします。

 


5. 緊急時の対応

 

訪問看護では、緊急時の対応も重要なサービスの一つです。

 

  • 病状が急変した場合、訪問看護師がその場で適切な応急処置を行います。

 

  • 必要に応じて救急車を手配し、搬送先の医療機関と連携します。

 

  • 緊急時に備えた「緊急連絡体制」を整え、24時間対応可能な訪問看護ステーションも増えています。

 


訪問看護の医療サービスがもたらす安心感

 

訪問看護の医療サービスは、自宅で安心して療養生活を送るために欠かせない存在です。

 

  • 利用者だけでなく、家族もサポートを受けることで、安心してケアに専念できます。

 

  • 病院と同じレベルの医療ケアを自宅で受けられるため、通院の負担が軽減されます。

 


次回は「訪問看護で受けられるリハビリテーション」について!

 

次回のブログでは、訪問看護で提供されるリハビリテーションサービスについて詳しく解説します。

身体機能を維持・改善するためのケアや、生活をより豊かにするサポート方法についてお話ししますので、ぜひお楽しみに!

 

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